良い上司と悪い上司の決定的な差とは。「責任を取る」「任せる」の2つにある

「良い上司とは何か」
「悪い上司とは何か」
そう言われると多くの要件が登場するでしょう。人によっても様々で千差万別の考え方があるに違いありません。今回はそういった多くある要件の中から「ここだけは抑えなければならない点」を言える2つを取り上げます。

必ず抑えるべき2つのポイント。非常にシンプルなことです。

  1. 責任を取ること
  2. 任せること

たったこの2つをやり遂げるだけで「良い上司」の仲間入りが出来るでしょう。但し簡単に見えてその実は恐怖心が邪魔をして困難極まる難題と言える部分となります。

今回の記事の目的は「良い上司と悪い上司の差」を明確に知る事であなた自身がどういった道を選んでいくのかを考えるきっかけにしてもらうことです。

責任を取らない悪い上司

まず1つ目の要件と言える「責任を取る」を見ていきましょう。これは逆のことをする上司を見ていけば容易に想像が付きます。あなたが誰かの部下であり、長年幾人かの上司の元に過ごしてきているのなら一度や二度経験があるはずです。

「責任を取らない上司」

部下であるあなたや、その上司の周囲が何かしらのミスを犯した時に発覚することが多い「責任を取らない」事案。ミスに対して上役から叱責があった時に上司は赴かずにそのまま部下を上役に放り投げます。また顧客からの怒りに対しても矢面に立たせる人物。

これをするだけでそこまで如何に優れた点を見せていても台無し。一気に「悪い上司」の仲間入りをする事になります。責任を取る覚悟が無い者は人の上に立ってはいけないのです。これが大前提。

責任を取りたくない部下がいる

あなたが数人以上のチームを率いた上司だとしましょう。「私は責任をちゃんと取っている」と考えていると思います。しかしながら中には「こいつの責任だけは取りたくない」と思う部下がいないでしょうか。仮に1人でもそういった部下がいるのなら「責任を取らない上司の仲間入り」と考えておいた方が良いでしょう。

誰一人としてそういった部下が存在してはいけません。上司の基本は「責任を取ること」にあるからです。

「あいつは人よりも注意散漫でミスが多すぎる」
「言うことを聞かない人間で責任はあいつにある」

言い分は幾らでも出てくるでしょう。しかしながらそれでも部下として下についている状態であれば「責任を取るのはあなた」になります。本当に「絶対に責任が取れない」のであれば上に付く前段階か取れないと判断した段階ですぐに「相手を辞めさせる」か「異動させる」などの措置が必要です。簡単に言えばあなたとしての責任を果たす能力におけるキャパオーバーが発生していることを意味します。「相手が悪い」と思いがちですが、そんな部下の責任も取れる上司が世の中にはいるものです。自身の能力不足を認めて更に上役などに真剣に相談するのが良いでしょう。場合によっては職位を下げてもらうのも一つです。

「会社にそんなことを言ったら出世の道が閉じる!」と思うかもしれませんが「責任を取らない上司」として君臨するよりもよっぽど可能性があります。何かしら明確な回答があるはず。それをあなたの力で是正させられないのでれば上に付いてはいけません。それほどに人の上に立ち「良い上司」として存在するのは難しいことと言えます。

現状のあなたの立ち位置から想像すればよく分かるのではないでしょうか。好き嫌いなどの感情が邪魔したり、明らかに自分の責任では無いと感じる大きな失態に対して逃げの姿勢を取ってしまうのは人間としてよくある形。言ってみれば本能に近い反応かもしれません。但し「良い上司」を目指す意味では本能のままの行動では足りません。

出世の為の知恵ではない

一つ忘れずに伝えておくと、今回の良い上司であるための差を明確にして実行することで「更なる出世」は目的としていません。最初に伝えた様に「良い上司」と「悪い上司」の差を知る事で「今後自分はどうしていくのか」を考えてもらうきっかけを作るのが目的です。

良い上司が全て出世できるほど社会は熟成していないと私は考えています。というよりも多くの人は理解しているはず。あるべき姿を見せる事で出世が出来る訳がありません。時には嘘や政治的な動きも必要になるのがこの世界。組織で上を目指して生きることになるでしょう。

それに嫌気が差して独立する人も多くいます。ただ今回は「良い上司」と部下に認識されるための一つの参考手法、その考え方を伝えているに過ぎません。

責任を取り「任せること」

「責任を取る」ことが出来ていると部下からの評価は高いものになるでしょう。何かミスをしても上司であるあなたが矢面に立ってくれる。言ってみれば部下からすれば強大な盾を得た気分になるはずです。また感謝の心も出てきます。

「◯◯課長が何かあっても助けてくれる」
「〇〇主任のお陰でスムーズな謝罪が出来た」
「本当は僕のせいなのに◯◯係長が代わりに叱責を受けた」

実際に上司は責任を取るのが仕事と言っても過言ではありません。よってこれらのセリフは全て当たり前のこと。「部下の失敗は上司の責任」はよく聞く言葉ではないでしょうか。組織力の低い場所では弱い上司が「部下の失敗は部下の責任、部下の成功は上司の成功」なんて最低の人間が蔓延っていることもあります。こんな場所は早々に撤退することを勧めますが、あなたが上司の立場になれば楽ができる場所とも言えます。どういう人生を生きたいのかによって選択するのが望ましいでしょう。

こうして責任を取る事の重要性が理解できたら、次は「任せること」をしなければなりません。責任を取ることに恐怖すればするほど「任せること」は全く出来ていない場合があります。

「私は責任取ってますよ」という上司に限って、そもそも部下に何の挑戦もさせていないことがあります。部下にやらせる仕事はミスや失敗が起こらないものや起こっても対処しやすいものに限るという上司。あなたの周りにもいませんか?実はこれもまた「悪い上司」の典型と言えます。

あなたの人生を振り返っても分かる通り「自分で任せてもらう」ことで大きな成長をするものです。自転車を漕ぐ時にずっと両親や兄姉が後ろから押してくれても上手に乗りこなすことは出来ません。料理を学びたいという息子や娘に包丁を持たせないのであれば「上達」は決して期待できないでしょう。

全ての物事は任されて初めて成長を伴うのです。時には包丁で指を怪我することもあるでしょう。怪我をするから「こういう指の持ち方が危ないのか」と学びます。実体験を元にした学びは心体に注がれ二度と忘れません。この失敗も伴う経験をさせられる人物こそが「良い上司」の基本となる訳です。あなたの周りにいないか見て下さい。いつも部下に任せて自分はそこまで手をつけずに責任だけは取ってくれるような温和に見える上司。ひょっとしたら感じ方としては「何もやらずに任せてばっかりだけどあの上司のためなら頑張れるんだよな」って部下が多くいる人に思えるかもしれません。実は上司として最も有能な人物はその人である可能性があります。そういった人の元で育った部下は非常に高い能力を有しているケースが往々にしてあります。それはなぜか。

責任を取ってもらえる最後の盾を手にしながら思いっきり失敗も含めた行動して挑戦を続けられるからです。

何でも自分でやってしまう行為は上司としては三流です。任せて失敗したら「お前のせいだろ」とするのが二流。究極の責任は上司である自分が取りながら失敗しても良いから全力でやれと背中を押すのが一流と言われます。

想像すれば分かりますが非常に難しいと感じるはずです。どうしてもレベルの高い仕事は部下にやらせずにあなた自身がやってしまうなんて事はよくある話。書いている僕も同じ現象が幾らでも起こっていました。自分でやればやるほど効率が高い気がしているかもしませんが逆です。組織の力は1という1人の力を2にも3にも引き上げていく必要があります。「最後に責任を取ってもらえる」という盾を持たない部下は萎縮します。「なるべく失敗しないように」を念頭に考えて動くので本人の力の30%~60%程度の力で仕事をしようとします。それならほぼ確実にこなせるからです。結果どうなるのか。

部下の能力は1に満たずいつも0.3や0.5程度に留まります。10人の部下がいるのに5人分の働きしか出来ない組織が仕上がってくるでしょう。責任を取り、任せられる上司のところはどうか。当然ながら失敗するリスクは備えていても部下が今ある全力を超えた力を発揮してくれる可能性があります。結果的に学びも増え成長幅も大きくなり時間経過と共に部下1人の力は2倍3倍と膨らんでいきます。

弱い組織⇒自分1+0.5+0.3+0.6+0.4=2.8
育つ組織⇒自分1+2+2.5+1.5+3=10

明らかな差になるのが一目瞭然だと思います。ここにはリスクもあります。ただ責任を取り、任せることを勧めた状況では本人の力が「1を割り込む」という現象はほぼありません。適切な任せ方をするのもまた大切ですが、業務において「君には少しだけ難しいかもしれない」と感じるものを部下に与えていけば成長を続けるでしょう。

感覚としては4回に1回くらいは失敗してしまうかもしれない挑戦程度が丁度良いと言えます。新卒の入りたてに対して大きな取引がかかったプレゼンをやらせるというのは少し違います。99%失敗するような類の仕事をさせてもストレスになるだけで成長にはなりません。そこで責任を取られても「そりゃそうだ」と本人は思うだけ。「基本的には成功するけど失敗率もそれなりに高い」と言える仕事を任せていくのが得策と言えるでしょう。

組織の最大値を引き上げる上司

会社にとっても無くてはならない上司であるためには「組織の最大値を引き上げる」人物でなければなりません。真っ当な会社であればそういった人物を昇進させないはずもありません。先程は「出世するためではない」と言いましたが、「責任」と「任せる」を両輪に真剣に取り組めば会社組織においても上を目指すことは出来ます。出世だけを考えると少し遠回りに思える瞬間もあるかもしれませんが、部下たちの感謝や成長は目の前で見えてきます。

「働いていてよかった」と思える瞬間は「ここまで出世した」なんてポジションではないでしょう。一緒に働いた者たちが「◯◯さんがいてくれたから」と言ってくれることではないでしょうか。そういう意味でも「良い上司」を目指す事は人生の豊かさを手にする一つの手法であると感じます。

いつも組織の最大値を引き上げてくれる「良い上司」を目指す。組織にいるのであれば一度はチャレンジにしてみても良いのではないかと感じます。実はサラリーマンが面白くない理由は「誰の責任も取らず」「誰にも任せず」を繰り返し「組織の最大値の引き上げ」を行っていないがためにやり甲斐を失っているからなんて場合も多くあるでしょう。

恐怖に打ち勝って「責任を取る」「部下に任せる」を数年実践してみると今見えている景色は大きく変わるはずです。

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